自己破産とは〜自己破産のポイントと注意点〜

●自己破産とは?

自己破産とは、一定以上の価値のある財産を手放すことと引き換えに、裁判所から「免責許可」をもらうことで、税金等を除く債務の支払い義務が免除され、債務者の生活再建を図る手続きを言います。

 

●自己破産のメリットとデメリット

メリットとして以下のものが挙げられます。

  • 債務の支払い義務が免除され、結果として債務から解放される。
  • 貸金業者から督促が止まります。

主なデメリットは以下のとおりです。

  • ブラックリストに掲載されるため、新たな借り入れが5~10年間程度できなくなる。
  • 破産開始決定から免責決定が下りるまで一定の職業(警備員や保険の外交員、弁護士等)に就けません。
  • 一部の財産を除きほぼ全ての財産を失う。
  • 保証人がいた場合、保証人に請求がいきます。
  • 官報に住所氏名が掲載されます。(一般の人はほとんど目にすることがないものです。)

よく質問があることとして、会社を解雇されたり、賃貸住宅から追い出されたりされることは法律上ございませんので、この点はご安心ください。

 

●自己破産申し立ての要件

債務者が「支払い不能」になった場合に申し立てができます。

「支払い不能」とはわかりにくですが、①金銭債権として弁済できない、②履行期にある債務を一般的な即時払いができず、かつ③これが継続的・客観的である状態のことを指しております。つまり、現在持っている資産と将来得られる収入、信用状態などを総合的に判断して弁済できないと考えられれば破産が認められることになります。

 

「同時廃止」と「管財事件」

自己破産には、「同時廃止」と「管財事件」の2種類があります。簡単にいうと、価値ある財産がある場合は「管財事件」、価値ある財産がない場合は「同時廃止」となります。

「管財事件」となると破産管財人が選任され、債務者の財産を換価し、債権者に配当する作業が行われます。「管財事件」となりますと費用は高額となり時間もかかります。

「同時廃止」は債務者に価値ある財産がないので、手続きが簡略化され比較的早く免責決定がおります。個人の自己破産の場合、ほぼ「同時廃止」となることが多いです。

なお、神戸地裁の判断基準の目安は以下のとおりです。

  • 財産の合計額が100万円以上・・・管財事件
  • 現金が50万円を超える場合・・・管財事件
  • 現金が50万円以下で実質的価値が20万円以上となる個別財産がない・・・同時廃止

 

●保証人がいる場合

自己破産の申し立てを行うと、債権者は保証人に弁済を迫ることになると思います。そのため、保証人についても債務整理を検討することが必要となる場合もあります。事前に保証人の方にも連絡を取られたほうがよろしいかと思います。

 

●免責決定にならない場合

自己破産を申し立てても免責(債務の免除)が認められない場合があります。主だったものは以下のとおりです。

  1. 財産の隠匿、破壊、財産の価値を不当に減少させる行動をしたこと
  2. ショッピング枠の現金化等を行うこと
  3. 特定の債権者に対してだけ偏った弁済を行ったこと(親族からの借り入れ分だけ迷惑がかかるからといって先に弁済すると、免責が受けられなくなる可能性がございます。)
  4. ギャンブルや浪費等で著しく財産を減少させたこと
  5. 破産申し立て1年前の日から破産手続開始決定があった日までの間に詐術を用いて信用状態を偽って財産を取得(借入)したこと
  6. 帳簿類の隠滅し、偽造、変造したこと
  7. 虚偽の債権者名簿、裁判所の調査拒否、管財人の業務妨害を行ったこと

 

●非免責債権について

免責決定が下りた場合、原則として支払い義務がなくなり、結果として借金の返済から解放されます。しかし、免責決定が下りても免責されない(支払う必要がある)債権があります。主なものは以下の通りです。

  1. 税金や社会保険料、年金、水道代、罰金等
  2. 悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
  3. 破産者が故意または重過失により加えた人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権
  4. 一定の身分関係から生ずる義務から生ずる請求権(例えば、婚姻費用分担費、養育費)
  5. 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権および使用人の預かり金返還請求権
  6. 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権

 

●自己破産をしても残せる財産

自己破産をした場合、原則全ての財産を失います。しかし、生活保障のため一部の財産は残すことができるようになっております。

  1. 破産開始決定となった後に取得した財産
  2. 99万円以下の現金
  3. 差し押さえ禁止財産(生活に欠くことができない家財道具、1か月間の食料等)
  4. 自由財産拡張(管財事件のみ)

 

●自己破産(同時廃止の場合)の流れ

1.ご相談

直接ご面談し、じっくりお話をお伺いいたします。その上で自己破産の制度や手続き、スケジュールや費用につきましてじっくりご説明させていただきます。ご相談に当たっては以下のものをご準備いただければスムーズにお話ができます。

  • 借入先と残高がわかるもの
  • 債権者や貸金業者から送られてきた書類や支払明細書等
  • 給与明細(3ヶ月分)や所得がわかるもの
  • 預金通帳
  • 源泉徴収票
  • 課税証明書
  • 運転免許証等の身分証明書

●自己破産(同時廃止の場合)の流れ

2.受任通知の発送、債権調査

債権者に対して、受任通知を発送します。これにより、債権者からの取り立てがなくなります。

●自己破産(同時廃止の場合)の流れ

3.書類作成準備

破産申し立てに必要な書類のご準備をお願いします。
ご準備いただく必要書類は概ね以下のとおりですが、他にも必要となる場合もあります。

  • 住民票(3カ月以内のもの、本籍地の記載があるもの)
  • 預金通帳(過去2年分)
  • 戸籍謄本
  • 課税証明書
  • 賃貸借契約書(賃貸住宅にお住いの場合)
  • 保険証券
  • 退職金見込み額がわかる資料
  • 給与明細(直近2ヶ月分)

●自己破産(同時廃止の場合)の流れ

4.自己破産申し立て

書類が整いましたら、当事務所で申立書類を作成し、裁判所に申し立てを行います。

●自己破産(同時廃止の場合)の流れ

5.破産開始決定

裁判所で必要な調査(審尋)後、破産開始決定がおります。

 

6.官報公告、免責調査

破産開始決定後、官報公告が行われます。その後、免責事由につき調査(審尋)が行われます。

●自己破産(同時廃止の場合)の流れ

7.免責許可決定

免責決定がなされた後、即時抗告期間中に債権者等から異議がなければ免責決定が確定します。免責決定が確定すると一部の債務を除き支払い義務がなくなります。

 

●自己破産の費用

費用は司法書士報酬と裁判所等に支払う実費があります。

実費

  • 収入印紙:1500円
  • 予納郵券:債権者の数によって変動しますが、1万円前後
  • 予納金(同時廃止の場合):1万~3万(管財事件の場合は費用は跳ね上がります。)

 

司法書士報酬

同時廃止の場合:20万円~

管財事件の場合:25万円~

※個人事業主の場合3万円追加

 

法テラスを利用した費用のお支払い

費用のお支払いが困難な方は、法テラスによる立替制度(法律扶助)が利用できます。

法テラスとは、法律支援を目的に国の機関として、弁護士や司法書士費用のお支払いが困難な方に対してその費用を立て替える制度です。

毎月の支払いを5000円~1万円程度とすることができ、また費用総額も概して安くなります。但し、法テラス利用には1月当たりの収入や資産額の基準がありますので、詳細は法テラスのホームページ等でご確認ください。(単身世帯の場合、月の収入が約18万円以下で保有資産が180万以下)

当事務所の司法書士は法テラス契約の司法書士でございます。法テラスご利用のご希望がございましたら、お申し付けください。

 

●弁護士と司法書士の違い

弁護士と司法書士に依頼する場合の違いについて記載します。

結論から記載すると神戸地裁に申し立てる場合は、個人、個人事業主に関する自己破産については、実務上ほとんど差はありません。

主な差は下記のとおりです。

・法人破産の場合(弁護士に依頼したほうが予納金が大幅に安く済む。)

 

司法書士が自己破産を行える根拠

司法書士が自己破産を行える根拠は司法書士法第3条4号です。これに基づいて裁判書類作成業務が行えます。「裁判書類作成」とは単にタイプライター的なものではなく、司法書士が持つ専門的知識を依頼者に提供し、書類作成から裁判所への申し立て、免責委決定が下りるまで最大限サポートすることが求められております。

書類作成代理人としてできないこととして、債権者との交渉ですが、自己破産は裁判所を通して画一的な処理を行うため、債権者と交渉することは特にありません。

 

まとめ

神戸地裁に申し立てる場合の実務上の違いはほとんどありません。弁護士に依頼したほうが良い場合は、法人破産の場合です。個人、個人事業主に関する自己破産の場合は司法書士と弁護士に実務上の違いはほとんどありません。破産手続きはある程度時間がかかる手続きです。相談しやすい先生にご依頼することをお勧めいたします。

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