Archive for the ‘会社法務’ Category

業務執行社員を社員に変更する登記ついて

2021-12-18

皆様、こんにちは。

司法書士の北村でございます。

本日は、合同会社等の持ち分会社で業務執行社員を辞任し、単なる社員とする登記について記載したいと思います。

 

業務執行社員とは

まず、前提として持分会社には「社員」「業務執行社員」「代表社員」といったものがあります。持分会社での出資者を「社員」(株式会社ですと株主にあたる方です。)、会社を経営する人を「業務執行社員」(株式会社ですと取締役にあたる方です。)、会社の代表を代表社員(株式会社ですと代表取締役にあたる方です。)と呼んでおります。

 

持分会社は株式会社と違って出資者が経営者となる会社形態です。よって、原則として社員は全員、業務執行社員(経営者)となります。業務執行社員は①定款に直接定める②総社員の同意により業務執行社員を定める選任方法を定款に定め、その選任方法に従って定めることができます。

今回は、業務執行社員でもあった者が社員の身分は残しつつ、業務執行社員だけを辞任する手続きについて記載いたします。

 

業務執行社員を辞める手続き

定款で指名された業務執行社員は、定款に別段の定めがない限り総社員の同意により廃止することで業務執行社員でなくすことができます。

業務執行社員の選任方法に関する定款の定めに従って選任された業務執行社員は当該選任方法と同様の方法により解任することができます。

このほかに、業務執行社員から辞任を申し出ることで辞めることができると解されております。

 

登記手続

業務執行社員の辞任には以下の添付書面が必要です。

・定款に定めていた場合は、総社員の同意書

・務執行社員の選任方法に関する定款の定めに従って選任された業務執行社員の場合は、定款及び社員の一致を証する書面

・辞任の場合は、辞任届

 

登録免許税は1万円(資本金が1億円を超える合同会社の場合は3万円)です。

 

登記すべき事項は、「業務執行社員 ○○ 業務執行権喪失」と記載いたします

オンライン署名を施した議事録等を用いた商業登記申請について

2021-12-11

皆様、こんにちは。

司法書士の北村でございます。

本日は、オンライン署名を施した議事録等を用いた商業登記申請について記載したいと思います。

 

オンライン署名を施した議事録等を用いた商業登記申請

最近では、株主総会議事録や取締役会議事録を電子データで作成する会社も多くなってきました。そこで、電子データで作成した株主総会議事録や取締役会議事録をそのまま商業登記申請できるかとの問題があります。

電子データの押印の種類によって決まります。

一般的な電子データへの押印はクラウドサインを用いられることが多いです。クラウドサインはいわゆる認印と同様の取り扱いを受けるため、認印相当で済む登記の場合は、そのまま商業登記申請ができます。一方で新規に代表取締役を選定する議事録のように実印相当の押印が要求されるような申請の場合は、使用できません。

実印相当の電子署名には、以下の3つです。

・商業登記電子証明書

・公的個人認証サービス電子証明書(マイナンバーカード)

・特定認証業務電子証明書

 

商業登記電子証明書とは、登記所が発行する会社代表者に関する電子証明書をいいます。登記所も電子申請普及のため、手数料を下げております。常時、登記申請を行う会社の場合は検討しもよいのではないかと思います。商業登記電子証明書の取得方法は、法務局のホームページに記載しておりますので、ご参考としていただければと思います。

 

常時、登記申請を行わない会社の場合は、公的個人認証サービス電子証明書いわゆるマイナンバーカードを利用して電子署名を施せます。マイナンバーカードを利用する場合は、発行の手間が省ける一方で、代表者のカードを使用しなければならないため、ある程度大きい会社の場合は使用しにくいというデメリットがあります。一人会社の場合は気軽にオンライン申請できますので、検討してもよいのではないでしょうか。

支店廃止の登記について

2021-12-04

皆様、こんにちは。

司法書士の北村でございます。

本日は、支店廃止の登記について記載したいと思います。

 

支店廃止の登記

交通機関の発展、オンラインの発達により最近ではほとんどメリットがなくなった支店登記を廃止する手続きを記載いたします。

 

支店廃止は会社による決議が必要となります。

決議期間は以下のとおりです。

・取締役会設置会社:取締役会決議

・取締役会非設置会社:取締役の過半数の一致(取締役会非設置会社の場合、株主総会の決議でもできます。)

 

支店廃止決議をすると、2週間以内に管轄法務局に登記申請する必要があります。

支店廃止登記は支店の所在地によって、申請方法が異なります。

・支店が本店と同一管轄の所在地で登記されている場合

本店を管轄する法務局に支店廃止の申請書と取締役会議事録等の支店廃止を決議した証明書を添付して申請いたします。

登録免許税は3万円です。

 

・支店所在地がが本店と異なる管轄の法務局にある場合

この場合は、まず本店を管轄する法務局に対して支店廃止の登記を申請いたします。本店での登記が完了したら、支店廃止が登記された本店の会社謄本を支店を管轄する法務局に添付して申請いたします。この場合、登録免許税は本店所在地では3万円、支店所在地では9000円となります。

 

オンラインが発達した現在では、わざわざ行政側の都合で2つの法務局に別々に登記申請するのは面倒とのことで、本支店一括申請が認められております。この場合は、本店を管轄する法務局に支店分の登記申請をすることで法務局側で本店で登記が完了したら、支店を管轄する法務局に関連する書類を送ってくれる扱いをしてくれるようになりました。

この場合の登録免許税は、3万9000円に加えて手数料として別途300円が必要となります。

 

合同会社のメリット

2021-11-06

皆様、こんにちは。

司法書士の北村でございます。

最近は合同会社の設立が増えております。

そこで本日は、合同会社のメリットについて記載したいと思います。

 

合同会社の特徴

株式会社と比べて合同会社には以下の特徴があります。

・出資者と経営者が同じ

・第三者からの出資が困難

・手続きや義務が簡略化されている

 

株式会社は出資者である株主と取締役等の経営者は原則分離されております。(同一人物でも可)。一方で合同会社は株式会社と異なり原則出資者がそのまま経営者になります。そのため、経営に関わらない第三者から出資を受けることが困難となり、会社を大きくしていくことには不向きな会社形態です。そのため、不特定多数が出資する株式会社と異なり経営者と出資者が同じ合同会社では、様々な手続きや義務を簡略化しても不利益を受けるのは同じ人物なので、義務等を大幅に緩和されております。

 

合同会社のメリット

合同会社の主なメリットは下記のとおりです。

・設立費用が安い

・役員の任期がない

・決算公告義務がない

・利益分配が自由にできる

・定款で会社法と異なる規定を設けることが可能

 

合同会社の設立費用は6万円から設立可能です。一方で株式会社は最低でも20万円程度(定款認証費、登録免許税)かかります。株式会社と比較して15~16万円程度安く設立できます。

株式会社は各役員に任期があり、任期を更新するたび登記することが必要となります。株式会社では登記を12年間行われていないと、国家により強制的に解散させられる制度があります。一方、合同会社では役員任期がないため、登記費用も発生せず、国家による強制解散の制度がありません。

株式会社では毎年、決算公告を行うことを義務付けられておりますが、合同会社では報告義務がないため、余計な手間がかかりません。

また、株式会社では株主平等原則があるため、株式数に応じた配当を行う必要がありますが、合同会社では比較的自由に利益配当ができます。

合同会社では、定款自治が広く認められているため、定款に定めることにより会社法と異なる定めを設けることができます。このため、株式会社と異なり比較的自由に規定を設けることができます。

 

合同会社のデメリット

合同会社のデメリットは主に以下のとおりです。

・第三者から出資を受けにくい

 

合同会社の最大のデメリットは第三者から出資を受けにくいことにあります。株式会社(特に上場会社)では、新規株式を発行し、不特定多数から資金を得ることができます。合同会社では原則出資者がそのまま経営者となるため、第三者から出資が受けにくいことにあります。

 

合同会社に適した会社

合同会社に適した会社は主に下記のとおりです。

・家族経営の会社

・管理会社

 

合同会社は第三者から出資が受けにくいため、家族経営の会社に向いています。また、義務や手続きが簡素化されているため、管理会社に向いております。

また、特定の事業を行うに当たって、リスク管理のために設立する会社に向いております。(仮に特定事業が失敗しても本体に影響を及ぼさないようにするために設立るする会社)

 

合同会社で注意すべき点

合同会社では、社員がいなくなると会社法の規定により解散させられます。合同会社の社員は死亡により退社することになっておりますので、社員が1名の会社の場合は相続が発生すると原則強制的に解散させられます。合同会社では定款に定めることにより、相続人に社員の地位を相続させることができます。よって、合同会社を相続によって存続することを希望する場合は、定款に下記のような規定を設ける必要があります。

 

定款記載例
(法定退社及びその特則)
第○条 各社員は会社法第607条の規定により退社する。
2 前項の規定にかかわらず、社員が死亡した場合又は合併により消滅した場合における当該社員の相続人その他の一般承継人は、当該社員の持分を承継することができる。

合同会社の社員の相続

2021-10-30

皆様、こんにちは。

司法書士の北村でございます。

本日は、合同会社の社員の相続について記載したいと思います。

 

合同会社の社員の相続

最近、合同会社が増えてきております。株式会社の場合、株主に相続が発生すると相続人に株主の地位が相続されます。一方、合同会社は当然には社員の地位は相続されません。社員が死亡したからといって無条件で相続人が社員の地位を相続できるわけではありません。その根拠は会社法第608条にあります。会社法第608条では、社員が亡くなった場合、その持ち分を承継する旨を定款で定めることができる旨が定められております。言い換えれば定款に持ち分を承継できる旨を定めていなければ、社員の地位を相続できないことを意味しています。相続人に社員の地位を相続させることを希望する場合は、定款規定を設ける必要があります。定款規定がない場合は、持ち分を承継することができませんが、その持ち分の払い戻しを受けることができます。なお、合同会社の社員が亡くなった1名しかいなかった場合は合同会社は解散することになります。会社法第641条に合同会社の解散事由として「社員が欠けたこと」というものがあります。この条項により、社員が誰もいなくなるとその時点で合同会社は解散することになるからです。従って、家業で合同会社を営んでおられる方は定款に持ち分承継規定を入れておく必要があります。

 

(相続及び合併の場合の特則)

第六百八条 持分会社は、その社員が死亡した場合又は合併により消滅した場合における当該社員の相続人その他の一般承継人が当該社員の持分を承継する旨を定款で定めることができる。

 第六百四条第二項の規定にかかわらず、前項の規定による定款の定めがある場合には、同項の一般承継人(社員以外のものに限る。)は、同項の持分を承継した時に、当該持分を有する社員となる。

 第一項の定款の定めがある場合には、持分会社は、同項の一般承継人が持分を承継した時に、当該一般承継人に係る定款の変更をしたものとみなす。

 第一項の一般承継人(相続により持分を承継したものであって、出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないものに限る。)が二人以上ある場合には、各一般承継人は、連帯して当該出資に係る払込み又は給付の履行をする責任を負う。

 第一項の一般承継人(相続により持分を承継したものに限る。)が二人以上ある場合には、各一般承継人は、承継した持分についての権利を行使する者一人を定めなければ、当該持分についての権利を行使することができない。ただし、持分会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。

一般社団法人の代表理事の選定方法について

2021-10-23

皆様、こんにちは。

司法書士の北村でございます。

 

本日は、一般社団法人の代表理事の選定方法について記載したいと思います。

一般社団法人の代表理事の選定は理事会を設置する法人と非設置の法人とで選定方法が異なります。

 

理事会設置している法人の代表理事の選定方法

理事会設置の一般社団法人の代表理事は、定款に特別な規定がない限り、理事会の決議で選定します。理事会の決議要件は定款に特別な規定がない限り、議決権を有する理事の過半数が出席し、出席理事の過半数で決めます。

なお、定款に定めることにより理事会ではなく社員総会の決議で代表理事を選定することもできます。

 

理事会非設置法人の代表理事の選定方法

理事会非設置法人は、代表理事を定めなかった場合は理事全員が代表理事となります。理事会非設置法人の場合は、原則として理事全員が代表権があるとみなし、代表理事を特別に定めることにより他の理事の代表権を奪うという考え方をとります。

理事会非設置法人の代表理事の定め方は下記のとおりです。

 

1.定款で直接代表理事を定める

2.社員総会で定める

3.定款の定めに基づき理事の互選で代表理事を定める

 

登記手続き

代表理事を変更(重任を含む)したら、2週間以内に登記する必要があります。登録免許税は1万円となります。

 

理事会設置法人において理事会で代表理事を定めた場合は以下の書類が必要となります。

・社員総会議事録(理事の選任を確認します。)

・理事会議事録

・就任承諾書

・印鑑証明書

 

理事会設置法人において定款の規定により社員総会で代表理事を定めた場合は以下の書類が必要となります。

・社員総会議事録

・定款

・就任承諾書

・印鑑証明書

 

理事会非設置法人において代表理事を定めなかった場合は以下の書類が必要となります。

・社員総会議事録

・就任承諾書

・印鑑証明書

 

理事会非設置法人において定款で代表理事を定めた場合は以下の書類が必要となります。

・社員総会議事録

・定款

・就任承諾書

・印鑑証明書

 

理事会非設置法人において社員総会で代表理事を定めた場合は以下の書類が必要となります。

・社員総会議事録

・就任承諾書

・印鑑証明書

 

理事会非設置法人において定款の定めに基づき理事の互選で代表理事を定めた場合は以下の書類が必要となります。

・社員総会議事録

・定款

・理事の互選書

・就任承諾書

・印鑑証明書

2021年度の休眠会社の整理

2021-10-16

皆様、こんにちは。

司法書士の北村でございます。

平成26年度から休眠会社、休眠一般法人の整理が毎年行われております。今年度も休眠会社の整理が行われることが法務省より告示がありました。兵庫県内では約1800の休眠会社が対象となるそうです。休眠会社には、公告及び通知が対象会社になされ、12月14日まで事業を廃止していない旨の届け出又は役員変更登記を行われない場合は、強制的に解散登記がされます。事業継続を希望される場合は、速やかに対応することが必要です。

 

休眠会社とは

休眠会社とは、①最後の登記から12年を経過している株式会社②最後の登記から5年を経過している一般社団法人又は一般財団法人をいいます。

 

株式会社は会社法により取締役の任期が最長10年と定められておりますので、必ず10年に1回は登記申請が必要となります。一般社団法人又は一般財団法人の理事の任期は最長2年と定められておりますので、必ず2年に1回は登記申請が必要となります。このことから株式会社では12年、一般社団法人又は一般財団法人が5年登記申請を行われていない法人は実態がないものとして扱い、強制的に解散させられることが法律で定められております。

 

休眠会社の解散手続き

休眠会社には、法務大臣より官報公告がなされます。対象となった休眠会社に対しては管轄の法務局より法務大臣による公告が行われた旨の通知が発送されます。仮にこの通知が届かなかった場合でも公告から2カ月以内に事業を廃止していない旨の届け出又は役員変更登記が申請されない場合には、国家によって強制的に解散登記がなされます。

 

強制的に解散させられた休眠会社は、解散登記から3年以内に限って復活させることができます。株式会社では株主総会で継続の決議、一般社団法人又は一般財団法人では社員総会又は評議員会で継続決議をすることで復活させることができます。

なお、会社継続決議をして会社を復活させたとしても登記懈怠による過料が裁判所から科される可能性が高いです。

 

まとめ

株式会社や一般社団法人、一般財団法人には登記義務が課されております。登記を長年放置していると国家によって強制的に解散登記がされます。解散登記された法人は3年以内に限って継続することができますが、余分な労力や費用がかかりますので、本来申請すべき時期に登記申請することをお勧めいたします。

一般財団法人とは

2021-09-04

皆様、こんにちは。

司法書士の北村でございます。

本日は、一般財団法人について記載したいと思います。

 

一般財団法人とは

一般社団法人とは、法的にいえば「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に基づいて設立された法人をいいます。一般社団法人が人の集まりに法人格を与えるものに対して一般財団法人は財産の集まりに対して法人格を与えるものです。一般財団法人は財産の集まりということで財産の散逸防止や監視機能を強化しなければならないとの観点で様々な制約が課せられております。具体的には純資産額が2期連続で300万円を下回ってしまうと解散されてしまいますし、監視機能の強化として理事、理事会、評議員、評議員会、監事を置く必要があります。

 

一般財団法人を設立するメリット

一般財団法人を設立するメリットはほぼありません。数少ないメリットとして挙げられるのは下記のとおりです。

・条件を満たせば税制上の優遇措置を受けられる

上記税制上の優遇措置とは、法人税法で定められた収益事業に課税され、公益目的事業の収益には税金が課税されない措置を受けられます。

優遇措置を受けるためには下記の条件を全て満たすことが必要で、大多数の法人では満たすことができないものとなっております。

  1. 剰余金の分配を実施しない旨を定款に定めている
  2. 解散した際に、余った財産を国や地方公共団体、一定の公益団体に贈与する旨を定款に定めている
  3. 上記1および2の定款の定めに違反する行為を行う旨を決定、もしくは行った経験がない
  4. それぞれの理事に関して、理事とその親族等である理事の合計人数が、理事の合計人数の3分の1以下である

 

一般財団法人のデメリット

・機関構成として理事、理事会、評議員、評議員会、監事を置く必要があります。

そのため、理事3名、評議員3名、監事1名以上、合計7名以上が必要となります。

・純資産額が2期連続で300万円を下回ってしまうと解散されてしまう。

・配当ができない

・ほとんどの法人で税制上の優遇措置がなく、株式会社等と変わらない

・税制上の優遇措置を受けれる場合は、会計が複雑となる

・役員任期が短いため、更新期間が来るたびに登記を行う必要があり、登録免許税等の負担が多い(理事:最長2年、監事:最長4年)

・最後の登記から5年を経過している法人は、強制解散させられてしまいます。なお、株式会社の場合は12年間ですので、かなり期間が短く設定されております。

 

まとめ

一般財団法人は財産の集まりに対して法人格を与えたものでございます。そのため、手続きが煩雑となり、純資産額が2期連続で300万円を下回ってしまうと解散されたりします。設立するメリットもほとんどなくよほどのことがない限り、株式会社や合同会社を設立することをお勧めいたします。

一般社団法人を設立するメリット

2021-08-28

皆様、こんにちは。

司法書士の北村でございます。

本日は、一般社団法人を設立するメリットについて記載したいと思います。

先に結論からいえば、一般社団法人を設立するメリットはほぼなくデメリットしかないと思われます。

 

一般社団法人とは

一般社団法人とは、法的にいえば「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に基づいて設立された法人をいいます。財団法人が財産の集まりに法人格を与えるのに対して、一般社団法人は人の集まりに対して法人格を与えた法人です。

一般社団法人を株式会社や合同会社と比較すると「営利」を行ってはならないことになっております。ここでいう「営利」とは一般的な意味ではなく、構成員に対してい配当を行ってはならないという意味です。

一般社団法人でも株式会社や合同会社と同様に収益事業を行ってもよく、違いは配当を行えるかどうかというだけです。よって、一般社団法人は公益目的がなくともよく事業目的は自由に決められることができます。

 

一般社団法人のメリット

一般社団法人を設立するメリットはほぼありません。数少ないメリットとして挙げられるのは下記のとおりです。

・世間的に公益性があるとのイメージをもってもらえる。

・条件を満たせば税制上の優遇措置を受けられる

上記税制上の優遇措置とは、法人税法で定められた収益事業にのみ税金が課税され、それ以外の収益には税金が課税されない措置を受けられます。

優遇措置を受けるためには下記の条件を全て満たすことが必要で、大多数の法人では満たすことができないものとなっております。

  1. 剰余金の分配を実施しない旨を定款に定めている
  2. 解散した際に、余った財産を国や地方公共団体、一定の公益団体に贈与する旨を定款に定めている
  3. 3.上記1および2の定款の定めに違反する行為を行う旨を決定、もしくは行った経験がない
  4. 4.それぞれの理事に関して、理事とその親族等である理事の合計人数が、理事の合計人数の3分の1以下である

 

よって一般社団法人を設立するのであれば、株式会社や合同会社を設立することをおすすめいたします。

 

一般社団法人を設立するに適した法人

一般社団法人は大規模なものから小規模な法人までカバーしているため、株式会社や合同会社と比べて制約事項が多いです。そのため、一般社団法人を設立するに適した法人は少なく主に下記のような法人が適していると思われます。

・同窓会やサークル

・業界団体(全国鐵構工業協会等)

 

一般社団法人のデメリット

一般社団法人はメリットが少なく、株式会社と比較して下記のようなデメリットがあります。

・役員任期が短いため、更新期間が来るたびに登記を行う必要があり、登録免許税等の負担が多い(理事:最長2年、監事:最長4年)

・配当ができない

・ほとんどの法人で税制上の優遇措置がなく、株式会社等と変わらない

・税制上の優遇措置を受けれる場合は、会計が複雑となる

 

 

まとめ

一般社団法人を設立するメリットとして挙げられることとし、世間的なイメージくらいです。税制上の優遇措置を受けるためには条件が厳しくほとんどの法人では設立するメリットがありません。一方で株式会社等と比較して手続きが面倒となるだけの場合が多く、設立するメリットはほとんどありません。一般社団法人を節理するのに適した形態としては、同窓会やサークル、協会等の限られた場合だけではないかと思われます。

一般社団法人の基金について

2021-06-05

皆様、こんにちは。

司法書士の北村でございます。

 

本日は、一般社団法人の基金について記載したいと思います。

 

一般社団法人の基金とは

基金は法律上は「一般社団法人に拠出された金銭その他の財産」とされております。内部又は第三者から拠出を受けた金銭又は財産です。株式会社は出資をするとその対価として株式が発行されますが、一般社団法人に拠出しても対価は支払われません。代わりに基金については一定の要件のもと、返還義務を課してます。

基金制度は義務ではなく、法人の任意で設けられます。基金制度を設けるためには定款に定める必要があります。定款には、具体的な記載は不要でざっくりした定めとしている法人がほとんどです。例えば「当法人は、社員又は第三者に対し基金の拠出を求めることができる」「拠出された基金は、当法人が解散されるまで返還しない」等の記載で十分です。

 

基金の募集手続き

基金の募集手続きは株式会社の株式の発行手続きとほぼ同様な手続きで行います。

具体的な手順は以下のとおりです。

 

1.基金の募集事項の決定

2.申込者への募集事項の通知

3.基金を引き受けようとする者からの申し込み

4.基金の割り当て者とその金額の決定

5.割当額の通知

6.基金の払い込み

 

募集事項は、①基金の総額②金銭以外の場合は財産の価格とその内容③金銭の払い込み期日またはその期間を定める必要があります。なお、金銭以外の財産の拠出の場合は、原則検査役の選任を裁判所に申し立てる必要があります。検査役の選任は多額の費用と時間がかかります。株式の発行と同様な例外規定もありますので、金銭出資以外の場合は、慎重に行う必要があります。

 

募集事項の通知は、①一般社団法人の名称②募集事項③金銭の払い込みの場所等を記載する必要があります。

基金の割り当ては申込者から法人が任意に決定できます。割り当てる金額も法人が任意に決定可能です。割り当てを行った後は、払い込み期日まで割り当て者にその旨を通知する必要があります。

基金の割り当ての通知を受けた者は定められた期日までに指定された場所に払い込みを行います。

 

基金の返還について

基金は原則返還しなければなりません。基金返還には定時社員総会で決議と純資産額が基金の総額を上回った場合可能です。

返還請求があった場合でも返還条件に該当しなかったら返還ができません。

 

登記について

一般社団法人の基金は登記事項ではありません。よって法務局への登記はできません。

 

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