Archive for the ‘会社法務’ Category

一般社団法人の基金について

2021-06-05

皆様、こんにちは。

司法書士の北村でございます。

 

本日は、一般社団法人の基金について記載したいと思います。

 

一般社団法人の基金とは

基金は法律上は「一般社団法人に拠出された金銭その他の財産」とされております。内部又は第三者から拠出を受けた金銭又は財産です。株式会社は出資をするとその対価として株式が発行されますが、一般社団法人に拠出しても対価は支払われません。代わりに基金については一定の要件のもと、返還義務を課してます。

基金制度は義務ではなく、法人の任意で設けられます。基金制度を設けるためには定款に定める必要があります。定款には、具体的な記載は不要でざっくりした定めとしている法人がほとんどです。例えば「当法人は、社員又は第三者に対し基金の拠出を求めることができる」「拠出された基金は、当法人が解散されるまで返還しない」等の記載で十分です。

 

基金の募集手続き

基金の募集手続きは株式会社の株式の発行手続きとほぼ同様な手続きで行います。

具体的な手順は以下のとおりです。

 

1.基金の募集事項の決定

2.申込者への募集事項の通知

3.基金を引き受けようとする者からの申し込み

4.基金の割り当て者とその金額の決定

5.割当額の通知

6.基金の払い込み

 

募集事項は、①基金の総額②金銭以外の場合は財産の価格とその内容③金銭の払い込み期日またはその期間を定める必要があります。なお、金銭以外の財産の拠出の場合は、原則検査役の選任を裁判所に申し立てる必要があります。検査役の選任は多額の費用と時間がかかります。株式の発行と同様な例外規定もありますので、金銭出資以外の場合は、慎重に行う必要があります。

 

募集事項の通知は、①一般社団法人の名称②募集事項③金銭の払い込みの場所等を記載する必要があります。

基金の割り当ては申込者から法人が任意に決定できます。割り当てる金額も法人が任意に決定可能です。割り当てを行った後は、払い込み期日まで割り当て者にその旨を通知する必要があります。

基金の割り当ての通知を受けた者は定められた期日までに指定された場所に払い込みを行います。

 

基金の返還について

基金は原則返還しなければなりません。基金返還には定時社員総会で決議と純資産額が基金の総額を上回った場合可能です。

返還請求があった場合でも返還条件に該当しなかったら返還ができません。

 

登記について

一般社団法人の基金は登記事項ではありません。よって法務局への登記はできません。

 

株式譲渡手続きと注意点

2021-05-08

皆様、こんにちは。

司法書士の北村でございます。

 

本日は、株式譲渡手続きと注意点について記載したいと思います。

 

株式譲渡手続き

公開会社の株式の譲渡は自由に行えますので基本的には当事者の合意のみで成立します。一方で非公開会社(株式に譲渡制限がついている会社)の株式譲渡には様々な制約があります。そこで、本日は譲渡制限株式の譲渡手続きについて記載したいと思います。

 

譲渡制限株式は以下の手続きが必要となります。

①株式会社に対する株式の譲渡承認請求

②株式会社での株式譲渡の承認

③株式会社から株主に対する通知

④株主名簿の名義書き換え請求

 

株式会社に対する株式の譲渡承認請求

譲渡制限株式を譲渡する時は、株主の譲渡人が株式会社に対して譲渡承認請求することが多いです。記載事項は会社法第138条第1号に記載されております。

 

(譲渡等承認請求の方法)

第百三十八条 次の各号に掲げる請求(以下この款において「譲渡等承認請求」という。)は、当該各号に定める事項を明らかにしてしなければならない。

 第百三十六条の規定による請求 次に掲げる事項

 当該請求をする株主が譲り渡そうとする譲渡制限株式の数(種類株式発行会社にあっては、譲渡制限株式の種類及び種類ごとの数)

 イの譲渡制限株式を譲り受ける者の氏名又は名称

 株式会社が第百三十六条の承認をしない旨の決定をする場合において、当該株式会社又は第百四十条第四項に規定する指定買取人がイの譲渡制限株式を買い取ることを請求するときは、その旨

 

株式会社での株式譲渡の承認とその注意点

株式譲渡請求を受けた株式会社は承認するか否かを決定することになります。取締役会設置会社では原則、取締役会で、非取締役会設置会社では株主総会で決めることになりますが、定款で別段の定めをすることも認められております。

中小企業ではよく株式の譲渡承認を代表取締役とする規定が見受けられます。考えなしに譲渡承認を代表取締役とするこは、お勧めができません。その理由として、中小企業の場合代表取締役自身が譲渡の当事者となることが多く、株式譲渡に関して利益相反取引となります。利益相反取引となるため、会社法上の取締役の責任を負うことになります。よって、譲渡制限の承認機関は原則通り、株主総会等の会議体にしておくことが必要です。株主が代表取締役1人の場合で実質的に代表者個人のみが承認する形でも、形式的に承認機関が株主総会となっていれば、利益相反とならないとされております。

また、銀行やファンドが絡む場合は、株式を担保として差し出すことが多く、担保実行時にいちいち譲渡承認をとれないため、「株主の譲渡については株式譲渡の承認があったものとみなす」等の定款の定めを入れることが多いです。

 

株式会社から株主に対する通知と注意点

株式会社が株式譲渡承認の有無を決定した時は、譲渡承認したものに対してその内容を通知しなければなりません。株式譲渡請求した日から原則として2週間以内に通知をしなかったときは、株式譲渡を承認したものとみなされます。譲渡を承認したくない場合は、速やかに決定をし通知しなければ、譲渡承認みなしとされますので注意してください。

 

株主名簿の名義書き換え請求

株式譲受人が株式を取得したときは、株式会社に対して名義書き換え請求することができます。この請求は譲渡人と譲受人と共同で行う必要があります。株式名簿の書き換えは株券不発行会社の場合は、第三者対抗要件となっているため、速やかに請求することをおすすめいたします。

 

まとめ

株式の譲渡手続は会社の形態によって手続きが変わります。M&A等で銀行から資金を借りる場合は、当事者だけの問題だけではないため、きっちりと書面を残しながら手続きを厳格に行う必要が求められます。なお、銀行やファンド等が絡む場合は、株券を質にとるため、株券不発行会社でも株券を発行させることが多いです。当事務所では、銀行やファンド等が絡む大規模なM&Aの手続きも多数行っておりますので、正確な手続きはもちろんスケジュール管理等もサポートできる体制を整えております。当事務所は神戸にございますが、全国対応可能でございますのでお困りごとがございましたら何なりとご相談いただければと存じます。

 

 

補償契約とは

2021-04-24

皆様、こんにちは。

司法書士の北村でございます。

 

本日は、令和3年3月1日に施行された補償契約について記載したいと思います。

 

補償契約とは

補償契約とは役員等がその職務の執行に関し、法令の規定に反したことが疑われ又は責任の追及に係る請求を受けたことに対処するために支出する費用(弁護士費用等)や第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合における損失を株式会社が役員等に対して補償することを契約をいいます。補償契約を役員と締結することは、利益相反取引に当たる可能性があるため、明文で利益相反取引の規定は適用しない旨が定められております。(会社法430条の2第7項)

 

補償の対象となるもの

・弁護士費用等の訴訟費用

・職務執行に関し、第三者に生じた損害賠償費、和解に基づき支払う金銭

 

補償の対象とならないもの

・弁護士費用等の訴訟費用のうち、通常要する費用を超える部分

・役員等と会社が第三者に損害賠償費を連帯債務を負うことになっている状況で会社が第三者に全額弁済した場合に、会社から当該役員等に発生する求償権にかかる部分

・役員等が悪意又は重大な過失があったことにより第三者に損害賠償を負う場合はその全額。なお、この場合でも弁護士費用等の訴訟費用は補償されます。

・罰金や課徴金等

 

補償契約の手続き

補償契約は取締役会(非取締役会設置会社の場合は株主総会)の決議で決定する。補償契約の相手方となる取締役は利害関係となるため、当該取締役は議決に参加することができません。

補償を実行する場合の手続きは条文上、特別な規定は置かれておりませんが、会社の重要な業務執行の決定として、取締役会決議を取るべきと考えます。

 

また、公開会社の場合は、補償契約を締結した場合及び補償の実行を行った場合は一定の事項を事業報告に記載し開示しなければならないと規定されております。補償契約に基づいて補償した取締役または受けた取締役は遅滞なく、補償についての重要な事実を取締役会に対して報告しなければならないと規定しております。

 

商業・法人登記で印鑑届を提出する義務がなくなったことへの影響

2021-04-17

皆様、こんにちは。

司法書士の北村でございます。

 

商業・法人登記で印鑑届を提出する義務がなくなりました。

その影響について本日は記載したいと思います。

 

印鑑届の提出義務について

かつての商業登記法第20条に「登記の申請書に押印すべき者は、あらかじめ、その印鑑を登記所に提出しなければならない。」という規定がありました。この規定によって、商業登記を申請するものは法務局に対してあらかじめ印鑑(いわゆる会社実印)を届け出る義務がありました。これは、届け出る印鑑を紙に押印し、その印鑑を証するため代表者の個人実印を押印して法務局に登記に先立って又は同時に紙ベースで提出していました。紙ベースで提出していた理由として、オンライン化した場合は陰影の大きさ等が変わって印鑑の確認が困難になるからです。この印鑑届が完全オンライン申請の妨げになっているとの理由でこの押印義務が今般見直しがされました。

 

商業・法人登記で印鑑届を提出する義務がなくなったことへの影響

現在はこの商業登記法第20条が削除され、印鑑届は任意となっております。形式上は印鑑届の提出は任意となりましたが、実務上はほとんど影響がなく、印鑑届は事実上提出する必要があると思われます。その理由を記載いたします。

 

・代理人申請の場合

代理人申請の場合は、オンライン申請でも書面申請でも委任状に会社実印の押印義務がありますので、従来通り印鑑届の提出が必要です。よって、印鑑届は必ず届け出る必要があります。

 

・本人申請の場合

本人申請において、書面申請の場合は従来通り印鑑届が必要です。

よって、印鑑届を届ける必要があります。

 

本人申請でオンライン申請を利用する場合は、印鑑届の提出をしなくともよいとされました。オンライン申請をするためには電子署名を施しそれを電子証明書で証明する必要があります。本人申請の場合は、年中登記を行う必要がある一部の会社を除くとほとんど登記申請をしない会社が電子証明書を取得する手間を考えれば、印鑑届を提出したほうが手間が少ないと考えます。もっとも、法務省はこのことも考えて電子証明書の範囲を拡大しマイナンバーカードでも行えるようにしましたが、この場合は代表者自身が申請書を作成し、代表者自身のマイナンバーカードを使用しなければなりませんので、あまりメリットがあるとは考えにくいです。

よって、印鑑届を提出する義務がなくなったことへの影響はほとんどなく、実務上は従来通り印鑑届を行ったほうが効率的です。

商業・法人登記での押印義務の見直しの影響

2021-04-10

皆様、こんにちは。

司法書士の北村でございます。

 

昨今、行政手続きでの押印書類の見直しを行なわれております。登記実務でも令和3年1月29日の法務省民事局通達で商業・法人登記での押印書類が大幅に見直されました。

その影響について本日は記載したいと思います。

 

商業・法人登記での押印義務の見直しの影響

令和3年1月29日の法務省民事局通達で押印又は印鑑証明書の添付を要しない書面については原則として押印の有無を審査対象としない旨の通達が出されました。具体例としては下記の書類については押印の審査をしないとのことですので、押印がなくとも登記が受理されます。

■押印がなくとも登記が受理される書類

・設立登記以外で添付する定款

・株主リスト

・本人確認証明書

・原本還付する際の原本のコピー

・資本金の計上証明書

※その他、法令で押印又は印鑑証明書の添付の規定がない書面

 

■押印が必要な書面

・設立時に添付する定款

・取締役会議事録

・取締役の就任承諾書

・代表取締役の選定を証する書面(取締役会議事録、株主総会議事録等)

・代表取締役の辞任届

※その他、法令で押印又は印鑑証明書の添付が求められている書面

 

 

DESとは

2021-04-03

皆様、こんにちは。

司法書士の北村でございます。

 

本日は、DESについて記載したいと思います。

 

DESとは

DESとはデッド・エクイティ・スワップの略であり、負債と資本(株式)を交換することをいいます。会社の債務を資本と交換することで会社の債務を減らして会社の財務体質を改善することを目的としています。社長さんからの債務を使ってDESを行うことが多いです。

 

DESの手続き

DESは会社への債権を出資して、株式を発行する手続きです。会社法的には債権の現物出資を行うことになりますので、原則として裁判所に検査役の選任が必要となります。

しかしながら、検査役の選任をお願いすると数カ月程度の時間と数10万円単位の費用がかかり、実務上ネックになります。

出資する債権額が500万円を超えたり、発行済株式数の10分の1を超える数を発行する場合は、検査役の選任を避けるためには以下の書類のいずれかが必要となります。

・弁護士、会計士、税理士が価格の相当性を証明した書類

・会計帳簿(弁済期、債権者、債権額等がわかるもので会社の代表者が原本証明を施したもの)

弁護士や税理士の証明書を添付する場合は、税理士費用等が別途かかる場合があります。

 

上記手続き以外は通常の募集株式の発行の手続きと同じです。

 

登記手続き

DESを行うと2週間以内に登記を行うことが義務付けられております。違反しますと100万円以下の過料の対象となります。

登記に必要な書類は以下のとおりです。

・株主総会議事録

・(取締役会議事録) (会社の機関構成によっては必要です。)

・株主リスト

・資本金計上証明書

・税理士等の証明書又は会計帳簿

・株式申込証又は総数引受契約書

 

登記費用は増加する資本金の1000分の7(3万円未満の場合は3万円)の登録免許税がかかります。

 

DESの注意点

DESを行う上で一番注意を要する点は株価(1株当たりの価格)です。会社価値によって、株価は変動します。DESは債務を株式と交換する手続きですので、会社価値と釣り合わない株式を発行してしまいますと税務上問題となることがあります。DESは会社の債務を減らし、財務体質改善には手っ取り早い手続きですが、顧問税理士の先生とよく相談して慎重に行う必要があります。

 

ご不明な点がございましたら何なりとお申し付けください。

 

現物出資による増資手続き

2021-03-27

皆様、こんにちは。

司法書士の北村でございます。

 

本日は、現物出資による増資手続きについて記載したいと思います。

 

現物出資による増資手続き

現物出資による増資とは、増資手続きの払い込みを金銭ではなく不動産や動産、債権といった資産で行う手続きです。

金銭の払い込みによる増資手続きと比較して、特殊な手続きが必要になります。

金銭の場合は、会社に支払う額が明確であるため特に問題になることはありませんが、資産の場合、その資産の価値がいくらかは明確ではありません。例えば時価が1万円しかない資産を100万円と評価して増資を行った場合、会社にとっては99万円の「損失」が発生します。このように恣意的な評価をして会社に損害を与えないため、現物出資をする場合は裁判所が選任した検査役の調査を受ける必要があります。

 

検査役の調査の問題点

検査役の問題点は以下のとおりです。

・時間がかかる

・費用がかかる

 

裁判所に検査役の選任をお願いすると、通常数カ月かかります。増資を急いでいる場合は大変ネックになります。

また、検査役は通常弁護士の先生が選任されることが多いので、数カ月の弁護士報酬分の費用がかかりますので、数10万円程度の費用がかかります。

 

検査役の検査を避けるための手続き

検査役を選任すると多額の費用と時間がかかり、会社にとっては現実的な手段として取りえません。会社法では検査役の調査を受けなくてよい例外を定めております。

 

・出資額が500万円以下の場合

・発行する株式が発行済株式総数の10分の1以下である場合

・現物出資財産が「市場価額のある」有価証券の場合で,その有価証券の価額決定日において市場における最終の価額を超えない価額で評価した場合

・現物出資財産が「株式会社に対する金銭債権(弁済期既到来)」の場合で,その評価額が,帳簿価額に記載されている価額を超えていない場合

・価額の相当性を税理士や弁護士が証明した書類を提出する場合

 

出資額が500万円以下、発行する株式が発行済株式総数の10分の1以下である場合を除き上記の要件を示す書類を法務局に提出する必要があります。

 

登記費用について

現物出資によって新規株式を発行した場合は、通常の増資手続きと同様に登記する義務が生じます。登記費用は以下のとおりです。

資本金の増加額の1000分の7(この額が3万円未満の場合は3万円)

 

なお、株式会社の場合は増資額のうち2分の1を超えない額を資本金ではなく資本準備金に計上することができますので、出資額の2分の1に資本金の増加を抑えることができます。

 

現物出資による増資を検討されておられる方がおられましたら神戸市で開業しております北村司法書士事務所にお問合せください。

 

株主総会議事録、取締役会議事録の押印について

2021-01-27

皆様、こんにちは。

司法書士の北村でございます。

 

昨今、デジタル化に伴って押印等の議論が盛んにされております。

会社法務手続きでも特にご質問が多い株主総会議事録、取締役会議事録の押印について記載したいと思います。

 

株主総会議事録の押印について

株主総会議事録の押印は会社法では規定されておりません。株主総会議事録について記載している条文は会社法施行規則72条です。この72条には、「株主総会の議事録は、書面又は電磁的記録をもって作成しなければならない」ことや記載すべき内容、書面決議の場合の記載内容、報告事項を省略した場合の記載事項等が定められておりますが、押印者については定めがありません。多くの会社では定款で押印者について定めております。定款の記載に従って押印者が決まります。一方で会社定款に何も定めがない場合は、特に押印しなくとも法的にも定款記載事項違反にもなりません。実際、上場企業でも押印をしない会社もあり、事前に法務局と調整は必要ですが、登記も問題なくできております。(登記の場合は、法的に問題なくとも多くの登記官が株主総会の真正の担保として、押印が求めてくる場合が多いと思います。本文に記載の上場企業の場合は、誰もが知る大企業であって毎年この形式で登記しているため、押印がなくとも真正性に問題ないと登記官が判断している可能性が高く一般の企業の場合は、押印を求めてくる可能性が高いと思います。)

上記のとおり、登記の問題は置いとくとしても仮に法的に押印義務がなくとも後のトラブル防止を防ぐ意味でも押印をしておくことをお勧めいたします。

 

なお、登記だけの問題ですが、取締役会を設置していない会社において代表取締役を選定した株主総会の議事録には出席取締役全員の個人実印での押印が必要となります。例外として代表取締役が再任する場合や前任の代表取締役が権限をもって株主総会に出席しその前任者が届け出ている会社実印で押印している場合は、出席取締役全員の押印は不要となります。

 

取締役会議事録の押印について

株主総会議事録と違って取締役会議事録については押印者は法律で義務付けられております。(会社法369条第三項)また、議事録が電磁的記録をもって作成されている場合にも記名押印に代わる措置を取らなければならないとされております。(会社法369条第四項)

 

実際に取締役会が開かれた場合は、出席取締役、出席監査役は必ず押印または電子署名が必要となります。押印する印鑑については特に定めがありませんので認印でも問題ありませんが、代表取締役を選定した取締役会の議事録には登記上の問題として出席取締役、監査役全員の個人実印での押印が必要となります。例外として代表取締役が再任する場合や前任の代表取締役が権限をもって取締役会に出席しその前任者が届け出ている会社実印で押印している場合は、出席取締役、監査役全員の実印での押印は不要となります。(この場合でも出席取締役、監査役全員の押印は必要です。)

 

会社法

(取締役会の決議)

第三百六十九条 

 取締役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した取締役及び監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。

 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。

 

目的に「運送業」を掲げている会社の合併(会社分割)登記について

2021-01-20

皆様、こんにちは。

司法書士の北村でございます。

 

本日は、会社の登記簿の目的欄に「運送業」を掲げている会社の合併、会社分割登記の手続きを行う上での注意点を記載したいと思います。

 

会社の事業目的に「運送業」を掲げている会社が合併(会社分割)登記を申請する場合、注意が必要です。会社の事業目的欄は会社の事業を記載することで世間一般にどのような業務を行って収益を挙げているか知らしめる目的で設けられております。現在、行を行っていても将来行う可能性があった場合、定款変更等の手続きが面倒だということで目的欄に入れ込む会社が多いです。通常の会社運営でも問題ございませんが、合併登記を行う場合問題となる場合があります。

 

目的に「運送業」を掲げている会社の合併について

目的欄に「運送業」を掲げている会社の合併は注意を要します。「運送業」は国土交通省所管で、許可がないと会社合併等を認めておりません。それ故、事業を行っていなくとも目的欄に運送業を掲げている場合は、法務局は書面審査しかしませんので、仮にペーパー上であっても許可証がなければ合併登記を認めてくれません。ペーパー上で掲げている会社の場合は、運送業をやっていないことを証明しなければ認めてくれません。「運送業」と一口で言っても代表的なものとして「一般旅客自動車運送」「一般貨物自動車運送業」「第二種貨物利用運送業」等かなりあります。目的欄だけ掲げていて実際に事業を行っていない会社の場合は、ざっくり「運送業」等と記載していることが多くどの事業を行っていないことを証明しなければならないかはっきりしないことが多いです。基本的には事前に法務局と相談し、事業を行っていない証明範囲を確定させていくことになります。確定した範囲で陸運局等で事業を行っていない証明書を取得して申請することになります。いろいろと手続きが面倒となるので、一番簡単な方法は目的から「運送業」を削除することです。

なお、実際に業務を行っていた場合は、許可を取るのに4~6カ月程度かかりますので、スケージュールには十分余裕をもって行うことが必要です。このような業種は他には「ガス事業」「旅館業」があります。

 

会社合併を進める際は、思わぬところで引っかかることがあります。

ご不明な点がございましたら、どのような些細なことでもお気軽にお問い合わせいただければと存じます。

解散登記の注意点

2020-12-26

皆様、こんにちは。

司法書士の北村でございます。

 

本日は、株式会社の解散登記の注意点について記載したいと思います。

 

株式会社を解散の要件

株式会社の解散の要件は会社法471条に定められております。

 

第四百七十一条 株式会社は、次に掲げる事由によって解散する。

 定款で定めた存続期間の満了

 定款で定めた解散の事由の発生

 株主総会の決議

 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。)

 破産手続開始の決定

 第八百二十四条第一項又は第八百三十三条第一項の規定による解散を命ずる裁判

 

ほとんどの会社の場合は、株主総会の決議で解散すると思います。

本日は株主総会で解散決議する場合の注意点を記載したいと思います。

 

株式会社の解散登記申請に当たっての注意点

株式会社の解散登記で注意すべき点は、解散日について期限や条件を付けている場合です。

解散登記以外の登記(例えば役員変更)では、株主総会を4月1日に開催して役員の選任日を4月30日付とすることが認められております。しかし、解散登記の場合は、株主総会日より2週間以内にしないと登記を受け付けてもらえません。これは、2週間を超える期間を指定することは、会社の存続期間を定款に定めることと同じなので認めないとの理屈のようです。この法務局の見解によれば、「会社の存続期間を4月30日までとする」との存続期間の定款変更決議を行ったうえで、改めて4月30日を到来したら存立時期の満了を原因として解散登記を行うべしとのことだそうです。

会社の実務として、株主総会の開催日を任意に調整できる会社ばかりでなく、上記のような机上の理論だけで会社に過度な負担をかけることは辞めてもらいたいと思います。上記田対応する合理的な理由がなくそもそも2週間という期間もあいまいで全く理解できません。

 

いずれにしても現在、株式会社の会社で期限をつける場合は、株主総会開催日より2週間以内の日付にする必要があります。うっかりしやすいポイントなので注意していただければと存じます。

 

 

 

 

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