配偶者居住権と登記

皆様、こんにちは。

司法書士の北村でございます。

 

配偶者居住権の制度が4月1日開始されました。

配偶者居住権制度の概要については、当ホームーページの相続法改正のページに掲載いたしておりますので、そちらをご参照いただければと思います。

こちらのコラムでは、配偶者居住権の不動産登記制度について述べたいと思います。

 

配偶者居住権は、配偶者に終生の住居を確保するために設けられた制度です。

その目的を達成するための方法の一つとして、配偶者居住権は登記できるようにしております。登記を備えることで、例えば建物の所有権を得た子供が密かに他人に売却した場合でも、新たな所有者に対して、配偶者居住権を主張して住み続けることができます。このことについて事例を交えて述べたいと思います。

 

まず配偶者居住権の登記は義務ではありませんので、登記してもしなくても国からペナルティーを課されることはありません。

登記したい人がいればすればよい制度となっております。

 

登記をすることの最大のメリットは、第三者への対抗力を得られることです。「対抗力」とは、利害関係のある第三者に対して自分の権利を主張できる効力です。

例えば事例として下記の場合を想定してください。

 

事例

・夫が亡くなり、相続人は妻と子

・建物の所有権は子供が相続

・妻は子供が相続した建物に配偶者居住権を設定して、住み続けることとした

・子供が第三者に建物を売った

・第三者が所有権に基づき、妻に立ち退きを求めた

 

この場合、妻は立ち退かなければいけないのでしょうか。

これに対する回答は、登記を先に備えたほうが自分の権利を主張できるということになります。

つまり、第三者が先に所有権移転登記を備えれば、妻は建物から立ち退かなければならず、逆に妻が先に配偶者居住権の登記を備えれば、妻は建物に継続して住み続けられ、第三者は配偶者居住権付きの負担付所有権を取得することになります。

これを登記の対抗力と呼びます。

自分の権利を利害関係のある第三者に主張するためには、不動産登記を備える必要があります。

 

配偶者居住権を登記する最大のメリットは、利害関係のある第三者に自分の権利を主張できるようになり、自分が確保した権利をしっかり守ることができる点です。

また、配偶者居住権が登記されていれば、実務上、子供が他人に建物を売却することは困難となり、(そのような負担付建物を買う人は稀)見ず知らずの人が建物の所有者になることを防ぐ目的もあります。

これにより、終生の居住権の確保という目的を法的に達成しやすくしております。

配偶者居住権をご取得されました場合、自分の権利を守るため登記を備えることはもちろん、可能な限り速やかに登記することをお勧めいたします。

 

一方でデメリットとしては、登記費用が掛かることや簡単に建物を売れなくなることが挙げられます。(例えば、妻が認知症を発症し、施設の入所資金を確保するため第三者に建物の売却を行う場合を想定してください。建物売却する前提として実務上、配偶者居住権の登記を抹消する必要があります。妻が認知症を患った場合、妻の意思確認ができないため、抹消登記申請が極めて困難となります。この場合、成年後見人等の選任が必要となり、簡単には建物売却が実務上できなくなります。)

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