認知症の方の不動産売却について

皆様、こんにちは。

司法書士の北村でございます。

 

本日は、認知症の方の不動産売却について記載したいと思います。

 

認知症の方の不動産売却について

高齢化社会の進展に伴って認知症の方が増えておられます。認知症の方が所有する不動産を売却する際の注意点を記載したいと思います。

不動産売却を含めて契約を成立させるためには、意思能力が必要となります。意思能力が十分でないかたが行った契約行為は、法律上有効にならない可能性がございます。

 

不動産取引の場合は、不動産屋や銀行、司法書士といった人たちが関係してきます。司法書士や銀行は取引に当たって本人確認の義務があるため、認知症を患われている方が売却することが困難となります。

認知相を患われている方が、不動産取引を含む契約行為を有効に成立させるためには、成年後見制度を利用することが必要となります。

なお、成年後見制度を利用しても不動産取引には一定の制約が課され、場合によっては取引ができない可能性があります。また、不動産売却が完了しても、成年後見制度をやめることはできない場合が多いです。

 

成年後見制度

成年後見制度とは意思能力が十分でない方をサポートし、認知症を患われている方の権利擁護を図るための代理人を選任する制度です。成年後見人は、本人の財産管理と福祉施設等の契約を代わって行う身上監護を行います。

具体的には以下の行為を行うことが多いです。

・銀行取引、預貯金の管理

・家賃の支払いや不動産取引

・福祉、介護施設との契約

・年金の受領や家賃の受け取り

・税金の申告や納税

・病院の手続き

 

認知症の方の不動産取引

成年後見人は、認知症を患われている方の不動産取引の権限があります。但し、何でもかんでも成年後見人の判断で売却できるわけではありません。法的には居住用不動産と非居住用不動産で分けられます。

 

居住用不動産の売却

居住用不動産は生活するための基盤です。住み慣れた家を売却すると、本人が困る場合があります。また、認知症を患わている方の場合は特に、住環境が変われば認知症が進行することが知られています。そのため、居住用不動産を売却するには家庭裁判所の許可を得なければならない定められております。なお、居住用不動産とは、現に居住している不動産だけでなく、居住の用に供する予定がある不動産も含まれます。例えば現在老人ホームに入居していてかつて居住していた家に戻る可能性があれば、その不動産も居住用として許可を取る必要があります。

家庭裁判所は、売却の必要性、本人のためになるかどうか、本人の生活環境等を配慮して、許可するかどうか決めるものと思われます。

 

各家庭裁判所によって必要な手続きが異なりますが、必要書類としては以下のものが概ね求められます。

①申立書

②不動産謄本

③売買契約書案

④評価証明書、査定書

⑤住民票

 

非居住用不動産の場合

非居住用不動産の場合は、家庭裁判所の許可は不要で、成年後見人の判断で売却してよいとはされておりますが、現実的には事前に家庭裁判所に相談を行うこととなります。

成年後見人は、認知症を患われている方のための制度です。本人のためにならないと思われる売却は認められるものではありません。売却ができる理由として、本人の生活費が足りない、治療費を捻出する等本人のためになる正当な理由がある場合に限り、不動産売却が認められます。

成年後見人としては、本人の財産を処分するにあたって、正当理由があるかどうか判断し、現実的には家庭裁判所に事前に相談し、売却の要否を決定いたします。

 

まとめ

高齢化社会の進展に伴って認知症の方が不動産を売却したいとのニーズが増えております。認知症の方の不動産売却には成年後見制度の利用が必須となります。しかしながら、本人のためにならない売却の場合は、成年後見人が不動産売却を許可できない場合もありますので、注意を要します。

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