認知症の方がおられる場合の相続手続きについて

皆様、こんにちは。

司法書士の北村でございます。

 

本日は、認知症の方がおられる場合の相続手続きについて記載したいと思います。

相続が発生いたしますと故人の財産は、①遺言②遺産分割協議③法定相続の順番で各相続人に承継する財産が決まります。

相続人に認知症が患っておられる方がおられる場合は、手続きを進めるにあったって原則的に成年後見人を選任する必要がございます。もっとも成年後見制度は、認知症を患われた方の判断能力を衰えた方のサポートする制度でございますので、相続云々関係なく選任すべきとおもいますが。

 

成年後見制度とは

成年後見制度とは、意思能力が衰えたかたの意思能力を法的に支援するための制度で大きくは財産管理と身上監護に分けられます。財産管理とは、判断能力が衰えた方が詐欺から守ったり、ご本人がすこやかに生活できるよう本人に代わって本人の財産を管理する制度です。身上監護とは適切な介護サービス等を受けられるよう本人に代わって様々な契約を代理する制度です。いずれにしてもご本人の今後の生活をサポートし、健やかにすごせるような制度です。

 

成年後見人は、親族等が裁判所に申し立てて家庭裁判所の選任により就任いたします。期間は1ヶ月~6カ月程度かかります。後見人は申し立て時にこの人を候補者としてくださいということはできますが、裁判所はそれに縛られず自らの判断で選任いたします。仮に専門家を選任されますと毎月2万~5万程度の報酬が発生いたします。また、一度申し立てると自らの判断で取り下げることはできず、選任されると原則生涯辞めることができません。何故なら、成年後見制度はご本人の意思能力を一生涯にわたるサポートをするという制度で公益的な側面があるからです。

 

認知症の方がおられる場合の相続手続きについて

遺言がある場合

遺言がある場合は、遺言で指定したとおり財産が承継されます。つまりなんらの手続きもなく相続がされます。相続自体は成年後見制度を使用しなくともできます。しかしながら財産承継手続きは成年後見人がいないとできない可能性がございます。例えば、不動産登記の場合は、申請人(認知症の方が不動産を承継する場合)となることができるのは意思能力がある方だけだからです。司法書士が相続登記の依頼を受けると申請人となるかたの本人確認と意思確認を行うことが法律上、義務付けられておりますので、成年後見人を選任しなければ申請ができないこととなります。なお、認知症を患っていない方が申請人(財産承継人)となる場合は、成年後見人を選任しなくとも不動産の名義変更ができます。もっとも上記にも記載いたしましたが、相続手続きができるかとは関係なく成年後見人は選任すべきと考えますが

 

遺産分割協議

遺産分割協議は相続人の合意によって遺産の承継先を決める協議であるため、認知症を患っていらっしゃる場合は、成年後見人の選任が必ず必要となります。仮に成年後見人として相続人の一人が就任していた場合は、利益相反関係となりますので、特別代理人の選任を裁判所に申し出て、その人と遺産分割協議を行うことになります。成年後見人等は本人の利益を最大限確保しなければならないため、原則、最低でも法定相続分を確保することが求められております。よって、柔軟な遺産分割はできないことになります。

 

法定相続

遺言もなく遺産分割協議を行わない場合は、法定相続で各相続人が法律で定まった割合で遺産を承継することになります。この場合も成年後見人選任がなくとも相続ができることになります。しかしながら遺言と同様、財産承継手続きは成年後見人がいないとできない可能性がございます。不動産の名義変更は、認知症を患っておられない方が代表して全相続人の相続登記ができます。しかし、申請人とならない方には登記識別情報(昔の権利証)が発行されないという不利益があります。なぜなら登記識別情報は申請人にのみ発行されますので、認知症を患っておられる方は申請人になれず、発行されないこととなります。

 

まとめ

認知症を患っておられる方がいる場合の相続手続きについて記載いたしました。

少しでも疑問がございましたら何なりとお問合せいただければと存じます。成年後見制度も含めてご納得が得られるまで丁寧にお話させていただきます。

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