破産者がいる場合の遺産分割協議

皆様、こんにちは。

司法書士の北村でございます。

 

本日は、相続人の中に破産者がいる場合の遺産分割協議について記載したいと思います。

 

相続人の中に破産者がいる場合の遺産分割協議

遺産分割協議は相続人全員で行わなければなりません。相続人に破産者がいる場合、破産者が遺産分割協議に参加できるかとの問題がございます。破産手続きでは、破産者の財産全部を債権額に応じて各債権者に分配する手続きです。破産手続きを行っている最中に破産者が自身の財産を自由に処分できるとすれば、債権者に分配できる財産が減少する可能性があることから認められておりません。破産手続きの中ではこのようなことを防止するため破産者の財産処分権を制限し、破産管財人が代わって財産の管理を行うことになっております。遺産分割協議は相続財産の最終的な帰属先を決める協議です。そこで、破産者が遺産分割協議に参加できるかどうかが問題となります。結論から言いますと相続開始時期が破産手続開始決定を受けた前か後かで変わってきます。

 

相続の開始が破産手続開始決定の前の場合

相続の開始が破産手続開始決定の前の場合の遺産分割協議について、法務省民事局の通達があります。破産手続きにおいて、破産者の財産の処分権が制限されるのは、破産手続開始決定の前の財産についてです。従って、法務省民事局の通達では、破産者は相続財産の処分権を失うため、代わりに破産管財人が遺産分割協議に参加することになります。なお、下記通達は相続登記を行うための手続きの過程で法務省に照会をかけた回答となりますので、登記実務の対応に沿った回答となっております。

 

不動産登記手続き

通常の相続登記のほか以下の書面が必要です。

・破産法第78条第2項の規定に基づく裁判所の許可証

・破産管財人の裁判所書記官発行の印鑑証明書

・破産管財人の選任証明書(発行の日から3ヵ月以内のもの)

※遺産分割協議書には、破産者に代わって破産管財人が実印で押印する必要があります。

 

平成22年8月24日 民二2078号通知

1 相続人の1人が相続開始後に破産手続開始決定を受けた後、相続財産について他の相続人から遺産の分割に関する処分の調停又は審判が申し立てられ、破産者である相続人は当事者とならず、その破産管財人が当事者となって調停が成立し、又は審判がされた事案について、その相続を原因とする所有権の移転の登記の申請には、相続を証する情報として、戸籍謄本等の一般的な相続を証する情報のほか、当該調停又は審判に係る調停調書又は審判書の正本の提供があれば足りる。

2 相続人の1人が相続開始後に破産手続開始決定を受けた後、破産者である相続人は当事者として参加せず、その破産管財人が破産法第78条第2項の規定に基づく裁判所の許可を得て、遺産の分割の協議に当事者として参加していた事案について、その遺産の分割の協議の結果に基づく相続を原因とする所有権の移転の登記の申請には、相続を証する情報として、戸籍謄本、遺産分割協議書(共同相続人(破産者である相続人を除く。)のほか、破産管財人の署名押印がされているもの)等の一般的な相続を証する情報のほか、当該裁判所の許可があったことを証する書面の提供があれば足りる。

 

相続の開始が破産手続開始決定の後の場合

相続の開始が破産手続開始決定の後の場合は、通常の相続手続きと変わりはありません。

破産手続開始決定後の破産者の財産は、破産者が自由に処分できる財産だからです。

 

まとめ

相続人に破産者がいる場合の遺産分割協議は、相続の開始が破産手続開始決定の前の場合は、破産管財人が破産者に代わって参加することになります。

相続人に破産者がいる場合はある程度専門知識を要しますので、お気軽にご相談いただければと存じます。

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