生活保護の申請権者

皆様、こんにちは。

司法書士の北村でございます。

本日は代理人による生活保護の申請権者について記載いたします。

 

生活保護の申請権者

生活保護は、憲法25条が保証している健康で文化的な最低限度の生活を保障することを目的に困窮の度合いに応じて国家が必要な保護を行う制度です。

生活保護は原則、要保護者の申請によって開始されます。

生活保護法第7条で急迫した状況にあるときは職権で開始されることもありうると記載されておりますが、こちらは例外で、例えば1人暮らしの方が意識不明で病院に運び込まれた時等に限られ、本人が意思表示できるような状況下においてはいかに困窮していようとも申請がないと開始されることはほとんどありません。

生活保護の申請は誰でもできるわけではなく原則以下の者と生活保護法第7条に定められております。

 

・本人

・要保護者の扶養義務者

・同居の親族

 

ここで扶養義務者とは3親等内(親、兄弟、配偶者、甥姪)の親族を指します。生活保護法では、生活保護より扶養が優先されます。原則として扶養義務者がいればまず扶養できないか自治体から照会がいきます。この照会は扶養義務を果たすことを強制するものではなく、法律に定められた原則を守るための手続きとして行われているものでございます。このことが生活保護申請を思いとどまらせる要因になっていることもありますが、DV等の特別な事情があれば考慮してくれる自治体もあります。

 

生活保護法

(申請保護の原則)

第七条 保護は、要保護者、その扶養義務者又はその他の同居の親族の申請に基いて開始するものとする。但し、要保護者が急迫した状況にあるときは、保護の申請がなくても、必要な保護を行うことができる。

 

生活保護の代理申請

厚生労働省は生活保護は代理申請になじまないとして弁護士等による代理申請を認めておりません。生活保護に当たっては何よりも本人の意思が尊重され、申請権者以外の申請を原則認めておりません。生活保護申請に当たっては書類が揃っていなくとも申請はできますので、専門家に頼らなくても窓口に行けば申請できますので、生活に困窮している方はまず窓口でご相談いただければと存じます。

 

入院中の生活保護申請

本人に申請意思があれば通常は代理申請ができなくても困ることはほとんどありませんが、例えば本人が入院中の場合や認知症等で意思能力が衰えられている方の場合、困ることになります。入院中で本人が申請できない場合は、同居の親族等がいればその方が役所に行って申請できます。お一人暮らしの場合は、病院の相談員が役所に連絡をして生活保護について依頼することができます。生活保護が決定した場合は、病院の相談員が役所に連絡した日に遡って生活保護が適用されます。役所は病院の相談員から生活保護の相談があった場合、後日、病院に赴き本人に意思確認を行います。本人の意思確認ができれば生活保護の決定がおります。

 

認知症の方の生活保護申請

生活保護は申請によるべきとの原則があるため、本人がいくら困窮していたとしても本人の意思が確認できない場合、生活保護の決定がおりません。そのため、認知症等によって十分に意思が伝えられない方の場合、問題となっておりました。

厚生労働省は生活保護は代理申請になじまないとの見解をとっております。この見解に対して弁護士会が意見書を出したことをきっかけとして、令和3年9月15日に開催された厚生労働省の有識者会議、成年後見制度利用促進専門家会議で成年後見人が生活保護申請ができるようになりました。

成年被後見人は事理弁識能力を欠く常況にある人だから、保護申請の判断が自己では困難であり、その意思能力のサポートのため成年後見人が選任されているため、成年後見人による代理申請を10月1日以降認めるとの見解を示しました。

なお、被保佐人や被補助人については、認めないとの見解は現在も変わっておりません。

被保佐人でも財産管理能力が弱い方も多く、成年後見制度を利用している方は後見類型に関わらず、代理申請を認めて欲しいと考えております。

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