工場財団の手続きとスケジュール上の注意点

皆様、こんにちは。

司法書士の北村でございます。

 

本日は工場財団の手続きとスケジュール上の注意点を指摘していきたいと思います。

工場財団は担保を設定登記するために組成するものです。通常の不動産に抵当権設定登記するのと違ってかなり時間を要します。工場財団に不動産及び機械・器具を組成する場合を例にみていきたいと思います。

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工場財団の組成手順

工場財団に機械・器具等を組成する場合は、工場抵当法第24条により1か月以上3カ月以下の官報公告を行うことを法律で定められております。実務上は約32日間の官報公告が付されるため、所有権保存登記申請から完了まで約2カ月程度かかります。担保権を設定する銀行等の金融機関にとって2カ月以上担保権の設定登記することができず、対抗要件を取得できなくなります。そこで、実務上以下の組成手順で行うことで対抗要件具備期間を短縮することがよくやられております。工場財団を組成する場合のご参考としていただければと思います。

 

1.不動産のみで工場財団の組成

2.工場財団に担保権設定

3.工場財団に機械・器具を加える目録変更登記を実施

 

工場財団のスケジュール

上記手順で組成した場合の凡そのスケジュールを記載いたします。

 

不動産のみで工場財団の所有権保存登記を申請した場合は、おおよそ1~2週間程度で登記が完了いたします。よって、工場財団には1~2週間程度で担保権設定が可能となります。

工場財団に担保権設定登記が完了を確認したのち、機械・器具を加える目録変更登記を申請いたします。機械・器具を加える目録変更登記の完了は約2カ月かかります。

この手順で組成した場合は、不動産のみの工場財団とはいえ、担保設定登記までは1~2週間程度で可能になります。予定されている一部の財産だけとはいえ担保設定登記まで1~2週間程度で可能となります。2カ月以上担保登記ができない状態と比較して一部(不動産のみの組成)とはいえ、担保設定登記までの期間を大幅に短縮できますので銀行にとってメリットが大きいと思います。

 

工場財団の組成と担保設定を同時にできないか?

工場財団の組成と担保設定が同時にできないかとの論点があります。

工場抵当法第9条によると工場財団は所有権保存登記を為すことで成立するとあります。

担保設定は担保対象である工場財団が組成出来て初めて設定することができます。工場財団が組成する前に担保設定をするとそれは無効となります。建物が建つ前に担保設定ができないのと同じ理屈です。

 

工場財団の組成と担保設定を同日にする手法としては、以下の方法があります。

・工場財団の契約書に工場財団保存登記申請がされることを条件に担保設定をする

 

上記条件付きで担保設定契約を締結します。不動産登記の対抗要件具備日は、一般的に登記完了日ではなく、登記申請日となります。上記条件付き契約をすれば工場財団の所有権保存登記申請日に担保設定契約の効力が発生することになり、工場財団組成と同時に担保設定の効力が発生することになります。

この方法をとるためには、①工場財団は不動産のみで組成していること(機械・器具等を組成すると官報公告必要となり所有権保存登記は官報公告満了日となる見解もあるため)、②申請する法務局が同一管轄の法務局のみの場合だけです。また、手続きを行う法務局の了解及び法律意見書を書かれる弁護士の了解も必要となります。

 

工場抵当法

第九条 工場財団ノ設定ハ工場財団登記簿ニ所有権保存ノ登記ヲ為スニ依リテ之ヲ為ス

 

まとめ

工場財団の設定手続きを行う場合は、方法によって対抗要件具備日が大幅に変わります。当事務所は工場財団の組成経験が豊富なため様々な知見を持っております。お客様のご希望に沿った提案が可能でございますので、工場財団を組成を検討されている場合は一度ご相談いただければご希望に沿って具体的で最適なご提案ができます。

お気軽にご相談いただければと存じます。

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