工場財団とは?

皆様、こんにちは。

司法書士の北村でございます。

 

本日は工場財団について記載したいと思います。

工場財団とは工場に所属する不動産、工作物、機械器具(動産)、特許権等の知的財産などの設備、権利(地上権や賃借権もそせいできます。)一式を一つの不動産とみなしてその権利の一部または全部に抵当権、根抵当権設定することができるようにした財団をいいます。

一言でいえば、工場に属する財産一式を一つの不動産とみなして、それに1個の抵当権等を設定できるようにしたものです。

 

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工場財団を組成することのメリット

工場財団を組成することのメリットを下記に記載いたします。

1.担保設定が楽

工場に属する不動産や権利は基本的に多いです。また、工場に担保権を設定する場合、大規模になることが多いです。(担保権を30個以上設定することもあります。)

その際、組成物1個ずつ担保権を設定してすることは実務上、大変です。工場財団を組成すれば、1つの不動産とみなすことができるので、担保設定することが大変楽になります。

 

2.登録免許税が安い

不動産に抵当権を設定する場合、登録免許税は1000分の4です。

工場財団の場合は1000分の2.5になります。

工場への担保設定の債権額は巨額となることが多く、例えば1000憶円を設定する場合、1億5000万円得となります。

 

抵当権移転の場合は、不動産の場合は1000分の2ですが、工場財団の場合は1000分の1.5となります。当初エージェントのみで担保設定し、セルダウン等で後ほど投資家(他行)に抵当権を移転する必要がある場合も得となります。

 

なお、合併による抵当権移転の場合は、逆に工場財団のほうが登録免許税が高く(不動産の場合は1000分の1ですが工場財団の場合は1000分の1.5です)なりますので、この点だけは注意が必要です。

 

3.工作物等の明示的に登記できないものも登記できる

例えば、壁がない牛舎等には建物登記ができないため不動産登記はできませんが、工場財団に工作物として組成すれば牛舎にも明示的に抵当権設定登記ができます。

なお、建物登記ができない工作物も土地に担保登記すれば付加一体物の理論で抵当権の効力も及ぶとの見解もあります。この見解をとることを検討される方は法律意見書を書かれる弁護士の先生に相談いただければと思います。

 

4.特許権等抵当権が設定できないものにも抵当権設定ができる

特許権等の知的財産権(特許権、意匠権、商標権、実用新案権)や地上権、賃借権等は通常抵当権は設定できません。工場財団を組成した場合は、これらの権利にも抵当権を設定できます。

 

工場財団の組成物

工場財団に組成できるものは以下のとおりです。(工場抵当法第11条)

1.工場に属する土地及び工作物(建物登記された建物も含みます。)

2.機械、器具、電柱、電線、配置諸管、軌条其の他の附属物

3.地上権

4.賃貸人の承諾あるときは物の賃借権

5.工業所有権(知的財産権)

6.ダム使用権

 

なお、「工場に所属する」には、通常の工場のほか、農場や牧場にも設定できます。

 

工場財団設定時の注意点

1.他人の権利が設定されていたり、差し押さえ仮差押え又は仮処分の目的とされているものには設定できません。

 

2.工場財団の所有権保存登記後、6か月間担保権(抵当権、根抵当権の本登記や仮登記)が設定されない場合、職権抹消されます。なお、担保権抹消後、6か月間新たに担保が設定されない場合も職権抹消されます。

 

3.工場財団に属する旨の登記がされた場合、個別にこれを処分することが制限されます。

 

4.スケジュールに注意が必要です。

通常、機械、器具等も含めて工場財団の所有権保存登記をした場合、1ヶ月以上3カ月未満の期間で官報公告されます。(実務上、32日程度です。)

登記官の審査、官報公告申し込みから掲載までを考えますと約2カ月間、担保設定ができなくなります。

この場合、対抗要件具備を急ぐ場合、不動産のみで工場財団を組成し、担保設定登記が完了した後に機械、器具等を追加した目録記載変更登記をすれば、担保設定登記まで2~3週間程度で完了します。

具体的なスケジューリング方法については別記事で記載いたしたいと思います。

 

実務上、工場財団組成にはいろいろな配慮が必要となります。

当事務所では工場財団組成の経験が豊富です。

工場財団組成をご検討されていた場合、当事務所にご相談いただければ幸いです。

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